上毛町の西塔ですが、

福岡県の山奥で、地域おこし協力隊や移住、地域ビジネス、人材育成に関する企画、講師、コンサルティングをしています。

【 地域共創カレッジ2017 第3回 ノート 】システム思考とビジョン

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 写真:2年前、シアトルのiLEAPのオフィスから見た夕日

 

今日は枝廣淳子さんのビジョン・システム思考のお話です。実は「地域経済を取り戻す」というテーマで、次の本を出版される計画もあるとか。今日も簡単なノートをとりました。

地域共創カレッジ http://tomotsuku.org
幸せ経済社会研究所(枝廣淳子さん) http://ishes.org
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【未来を描く力としてのビジョン】
「明日の海士を作る会」の一員として『海士町版まちひとしごと創生総合戦略』を作る仕事をしましたという話からスタート。

・戦略を考える場では、ワークをしながら、システム思考のループ図を作る作業をしていった。
・自分が何かを変えたい時、一緒に町の未来を創り出したいと思う時、まずは、ビジョン=未来の姿を描くことが大切。
<個人ワーク:あなたは何をどう変えたいか(5分)>
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【ビジョンとは】
・ビジョンとは、ある時点でのありたい姿を描くこと。
・普通は、現状の延長線上の姿に、時代変化を織り込んだものを目標とすることが多い。でもビジョン作りが本領を発揮するのは、現状と決定的に大きなギャップがある時
・大志=使命(自分自身の存在理由)、ビジョン(まだ現実にはない未来の姿、憧憬/ ある時点での具体的な姿) 

<グループワーク:ビジョンはなぜ必要か?>
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【ビジョンの力 (個人/地域)】
・個人の人生のビジョンと、地域の共有ビジョンとを分けて考えることもできる。
・個人のビジョンならば、あえて”作らない”というケースも考えられるだろう。たとえば、フォアキャスティング手法。
・それに、『最初に陸に上がった魚は、人間になることをビジョンとして描いたわけではない』ですよね。その時その時の最適化がこういう結果になることもある。

・でも地域のプロジェクトならば、共有ビジョンは必須。「思い描けないことは、実現できない」とよく言われる。ビジョンには強い力がある。
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★ビジョンの持つ力
①クリエイティブテンション
想像的緊張が働く。人は簡単に目標を引き下げてしまいがち。つまり、やりたいことを、今できることに、近づけてしまうことが多い。ビジョンを明文化することで、そこに緊張が生まれる。

②自分を進ませる原動力
忙しかったり、疲れたりする中で、それでも続けるための、北極星を持つことができる。

③ブレない軸
プロジェクトの途中で、別な物事(仕事)のオファーがきてしまうと、フラフラとそれを始めてしまいがち。ブレないようにする、雑音を遮断するための判断基準としてのビジョン。

・良いビジョンは、希望を与え、リスクをとる勇気を付けることができ、新しい行動を促すことで、変化を作り出す。

・良いビジョンの一例:「1960年代の終わりまでに、人類を月面に送り込む」ジョンFケネディ
例2:半導体の会社のフロン全廃のケース
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【K市の事例】
原発誘致の賛否で二つに割れた街にファシリテーターとして訪れたお話

・この街では、もはや住民同士が原発を会話のネタにすることもできない状態だった。一度、話してしまうと反対派・賛成派が明確になるので、「原発の話はしない」という不文律ができていた。そのため、賛成派も反対派もそれぞれのグループ会合は頻繁にあるのに、お互いが話す機会は全くなかった。

・着任後、まずは、新市長のもと、実行委員会を作り、賛成派と反対派と中間派の代表8人が集まった。初回は、お葬式のよう。「相手の話を聞くことは、負けを認めること」と思い、誰も相手の話を聞かない状態。
・やったのは、原発の話を脇に置いて、「未来に向けて街をどうしたいのか」というビジョンについて話し合うこと。すると、「子供たちが誇りを持って帰ってこられるまち」と意見は一致していた。
・つまり、ビジョンは同じで、その手段として、原発が必要か不要かということだったのだ。
・この話し合いで「各々の意見は変わらないけれど、相手のロジックも理解できる」というところまで行った。相手の話を聞き、一緒にお酒を飲めるようになった。
(以下、オフレコ)
(所感)「ビジョンを作って行動する」ということも大事だけど、ビジョンを一緒に作るというプロセスそのものが、対話を生み、希望を与え、変化を起こす。

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【システム思考入門】
・では、どのようにしてビジョンに近づくのか、どのようにして望ましい状態を作るのか、問題を解決するのか、というときに、システム思考というアプローチが役に立つ。
・例えば、繰り返される企業の不祥事、無くならない残業、個人の問題でも、ダイエットのリバウンド、続かない恋愛など、何度も起こることには、パターンがあると考えられる。
・そのパターンを作り出すのが、構造、その大元の構造を変えようというのが、システム思考。
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【システム思考の知恵】
・人を責めない。自分を責めない。だって、構造が悪いんだから。構造を自分で治しましょう
・「問題解決するつもりが、別の問題を作ってしまう」ということがあるが。これは構造全体が見えないから。(例:奄美大島のハブ増えすぎたので、退治するためにマングースを輸入して放した。でも、マングースは、ハブではなく天然記念物の黒ウサギばかり襲ってしまい、ハブは大繁殖、黒ウサギが絶滅寸前に)
・私たちは、ロジカルシンキング慣れ過ぎていて、切り分けられた「部分」の最適化を目指してしまう(チームや組織の仕事である以上、部分に切り分けて仕事をすることはやむおえない)。でも、部分は全体の中でつながっているので、そのつながりを意識する必要がる。
・そのつながりを可視化し、その時点における自分の(チームの)理解を書き出すものが、ループ図。
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【ループ図を描くポイント】
・作業仮説として、現在望ましい姿になっていなておらず、問題が繰り返され定常化しているのは、「問題を悪化させる悪循環があるから」「望ましい好循環がつながっていない」と考えて見る。
・その上で、ループ図を見ながら、問題の近くにあるとは限らない解決策を探してくこと。特にレバレッジポイントを探っていく(事例:黒川温泉の入湯手形)。
・システム思考に、想定外や副作用はない。ただ、全体が見えていないだけ。
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【ループ図を描くステップ】
・同じことが繰り返される時には、冷静に何が起きているか、自分を観察する。訪ねる。
・全体が見えないと、個別のループになるので、可能なら、みんなで集まる。
①紙の真ん中に、一番増やしたいことを書き丸で囲う。名詞で書くこと。
②左側に、①に影響を与える要素を書き出し、矢印でつなぐ。
③右側に、①が影響を与える要素を書き出す。
④どんどんつなぐ
(この辺はちょっと図がないと説明が厳しいですね。)
<個人ワーク・システム思考ループ図の演習>